かつてのアメリカ 2021 1 17

書名 ニューズウィーク日本版 2021 1.19 トランプは終わらない
出版社 CCCメディアハウス

 多くのアメリカ人は、連邦議会に暴徒が乱入したことに衝撃を受けていますが、
私は、2011年の「ウォール街を占拠せよ」運動のほうが衝撃を受けました。
 アメリカにおける貧富の格差拡大を受けて、
「ついに、アメリカで階級闘争が始まったのか」と思いました。
 ウィキペディアの記事によれば、
「2007年において、最も裕福な1パーセントが、
合衆国の全ての資産の34.6パーセントを所有している」という。
ここから「我々は、残りの99%だ」ということがスローガンになりました。
 このような不満は、「政治的火山」となって、
いつか「大噴火」を起こすだろうと思っていました。
 だからこそ、リベラル派は、富裕層に増税をして、
貧困層に現金をばらまくという発想になるかもしれませんが、
これが、さらにアメリカの分裂を招く可能性があります。
 実は、アメリカには「小さな政府」を理想とする運動があります。
連邦政府を巨大化して、州政府を相対的に小さくするか。
それとも、連邦政府を極小化して、州政府を強化するか。
これは、アメリカの建国当時からの論争であり、今も終わっていません。
「アメリカ人は、ワシントンが嫌い」
 ここでいう「ワシントン」とは、首都のことであり、連邦政府を象徴しています。
こういう言葉があるとおり、連邦政府に不信感を持つアメリカ人は多いのです。
 だからこそ、リベラル派が「大きな政府」を政策として実施すると、
さらにアメリカの分裂を招く可能性があります。
 一方で、貧富の格差がかなり拡大していますので、
このような格差の是正を求める運動も起こるでしょう。
 かつてのアメリカでは、中流階級が多かったでしょうが、
今は、中流階級が縮小しているでしょう。
 だからといって、アメリカで社会主義を行えば、多くの人が離反するでしょう。
そういうわけで、政治的には難しい判断を迫られるでしょう。

















































































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